#Hotel 07 妄想デート

彼女とはあるハプニングバーで知り合った。

大人たちがハプニングを期待して集まるその場所に場違いな子がいるなと気になったのが始まりだった。

ロリータファッションに身を包んだあどけなさの残る彼女に声をかけた。


話を聞くと、彼女は緊縛に興味があり、友達と一緒に緊縛の練習をしにきたのだと言う。

私にも過去に少し緊縛の心得があったことから話が弾み、その日は何のハプニングも起きずに終わった。

そして本来禁止されていることではあるが彼女に連絡先を渡してみた。

まさか返事が来るとは思わずに。

アルタ前での待ち合わせに時間通りにやってきた彼女はやはりロリータファッションに身を包んでいた。

彼女の一種の鎧なのだろう。少女という鎧。

そもそも装うことが好きで、ロリータを始めたという。可愛い服を着て街を歩く自分が楽しかったと。

そんな彼女が緊縛に興味を持ったのも、縛られている自分を見てみたいと思ったからだった。

彼女にとって、ロリータファッションと緊縛は同じ根っこでつながっていた。

そして人に縛ってもらうようになるにつれ、自分が物として扱われている気がして興奮を覚えるようになった。

こういう衣裳だと、中身は大人だとわかっていても、わけもなく背徳感にさいなまれる。

自分で脱ぐようにと命令すると、彼女は恥じらいながらも手際よく重なった衣服を剥がしてゆく。

ある程度身軽になると彼女はおもむろに赤いロープを取り出した。

「これで自縛するんで見ててください」

そう言うと彼女は自らの体にロープを這わせ始めた。

慣れた手つきでロープを自分自身の体に絡ませてゆく。と同時に彼女の表情がみるみる変容していった。

少女の鎧を脱ぎ捨て、女を纏う。

「出来ました」といってこちらにロープの先を差し出す。

ここからはあなたのモノとして扱ってくださいという彼女の意思表示だ。

受け取ったロープの先をグイッと引き寄せ、よろけた彼女をそのままベットに転がす。

先ほどの少女の面影はどこにもない。

食い込むロープの隙間に指を挟むように彼女の肌に触れる。

モノとして扱われ、自分というものを否定されていく行為の中で彼女たちは全力で叫ぶ。私を見て!と

自由をひとつ奪われるごとに、彼女たちの中にある小さな「自分」が容赦なくあぶりだされてゆく。

拘束されたいのか、解放したいのか。

縛られたいのは心なのかそれとも体なのか。

物事はいつだって複雑に絡まっている。

Hotelデータ

ホテル フォーラム #402

東京都新宿区百人町1丁目3

平日2時間 3800

 

 

【プロフィール】

 Photographer

アンダーグラウンドシーンと女性のエロを得意とするフォトグラファー。

雑誌やウェブを中心に活動中。

日本初のフェティッシュ雑誌『INFAMOUS MAGAZINE』のオフィシャルカメラマンを務めるほか、様々なカルチャーシーンを撮影。

それらをまとめたフォトガイド「アンダーグラウンドイベント東京」を芸術新聞社より出版。全国書店にて好評発売中。

「写真・ソーシャル・イベント」をキーワードに、さまざまなイベントや企業とコラボし撮影会や交流会などを企画、運営するPhoto’s Gateの代表でもある。

オフィシャルサイト:https://ayako-fukusako.jimdo.com/

Facebookhttps://www.facebook.com/ayakofukusako

twitterhttps://twitter.com/ayako2935

Instagramhttps://www.instagram.com/ayako_fukusako/?hl=ja