#Hotel 08 妄想デート 特別編 灯月いつか×フクサコアヤコ

特別編 灯月いつか×

4年前、「アンダーグラウンドイベント東京」という本を出版した。

その名の通り、東京で夜ごと行われるフェティッシュからサブカルまで様々なアングラのイベントを紹介したフォトガイドだ。

その本で紹介していた「フェチフェス」というイベントに本の物販ブースを出展していた時、この本を持ってわざわざブースを訪ねてくれた子がいた。

「私この本に出会って、この世界に入りたいと思えたんです!」と目を輝かせていたその子こそ、灯月いつかである。

たしかにアングラの世界は妖しく人を惹きつけてやまない。しかし手放しでお勧めできる世界でもない。

ましてやこんな純真そうなかわいい子が、大丈夫だろうかと一抹の不安を覚えながらも、生き生きと語る彼女をまぶしく見つめたのを今でも思い出す。

その後彼女は、様々なモデルや緊縛のショーに出演するなど、

私の心配などよそに持ち前の明るさと可憐さでまたたく間に人気者となっていく。

私は彼女の活躍を心配しつつも嬉しく見守っていた。

カメラマンとモデルという関係である。知り合った当初から一度ちゃんと撮影しようと話していた。

しかし何度か軽く撮影したことはあっても正面からきちんと向き合った撮影はこれが初めてとなった。

実に4年越しで実現したのが今回の撮影なのだ。

実は彼女の活動を見守るうちに、少女のような儚さで緊縛のショーモデルなどもこなす彼女の本当の顔を捉えあぐねていた。

灯月いつかとは何者なのか。私の本がきっかけの一端となってしまったとはいえ、何が彼女をアングラの世界へ導いたのか。

そして彼女はどこから来てどこへ行くのか。

ホテルまでの道のりや部屋に入ってからも彼女の口からいろんな話を聞けた。

小さいころの性の記憶、抑圧され封じられた欲望、遅れてやってきた思春期、そして目覚めた性癖。

それらが彼女独特のふんわりした口調で語られた。

話を聞けば聞くほど彼女への興味は尽きなかった。

そしてカメラを向けた瞬間になるほどとすべてが納得できた。

今まで彼女の口から語られたそのすべてが彼女の存在を構成していたのだ。

いつもモデルの真実の顔を捉えたいという思いで撮影に臨んでいる。

まるで性感帯を探るように、様々な言葉を投げかけ、いろんなところに焦点を当て、ひとつひとつ反応を確かめながら写しとっていく。

演技ではない本当の顔が見たいのだ。

しかし撮影を進めるうちに彼女には演技と本当の顔の境目がないように見えた。

いや、境目というよりも概念そのものがないようにすら思えた。

夢中でシャッターを切る中でひとつ感じたことがある。

彼女から語られた言葉の多くは間違いなく今の彼女を形作る要素である。

しかしカメラの前にいる彼女は、そのすべてを包括しつつ手放しているように見える。

目の前にいる存在だけがすべてだと思わせるような不思議な存在感を纏っている。

まるで過去の未来も今この時以外には意味はないような。

不思議な感覚に包まれたまま撮影を終えた。

最後に今後どうなりたいかを聞いてみた。

すると彼女は、

「5年前の自分からしたら、今の自分は想像できない。

それと同じように、たぶん5年後はまったく想像もできない自分になっているんだと思う」

そういって柔らかく微笑んだ。

 

Hotelデータ

ホテル RIO #301

東京都新宿区大久保1-17-1

平日2時間 3900

 

【モデルプロフィール】

灯月いつか:twitter

灯月いつかブログ

 

【フォトグラファープロフィール】

 Photographer

アンダーグラウンドシーンと女性のエロを得意とするフォトグラファー。

雑誌やウェブを中心に活動中。

日本初のフェティッシュ雑誌『INFAMOUS MAGAZINE』のオフィシャルカメラマンを務めるほか、様々なカルチャーシーンを撮影。

それらをまとめたフォトガイド「アンダーグラウンドイベント東京」を芸術新聞社より出版。全国書店にて好評発売中。

「写真・ソーシャル・イベント」をキーワードに、さまざまなイベントや企業とコラボし撮影会や交流会などを企画、運営するPhoto’s Gateの代表でもある。

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