#Hotel 11 妄想デート

いつまでもそこにあると思っていても、時代の流れとともに消え去ってしまうものがある。

新宿歌舞伎町にある、ここ「ホテル松月」もそんな場所のひとつだ。

新年一発目のモデルを誰にお願いしようかと思いを巡らせたときに、

最初に頭に浮かんだのが、自撮り熟女マキエマキだった。

自撮り熟女を松月で撮る。まさに年の初めにふさわしい組み合わせのような気がした。

こうして「新春マキエ絵巻」なるコラボレーションが生まれたのである。

そもそも「自撮り熟女マキエマキ」とは何者なのか。

その名の通り熟女であり、昭和B級エロをテーマに自撮りをするなんとも破廉恥な人妻フォトグラファーである。

しかし実際に会ってみると意外にも大人しい印象の、いかにも良妻という雰囲気の女性である。

待ち合わせてホテルへ向かう時もどことなく恥ずかしそうに伏し目がちについてくる。

それがいかにも背徳感にまみれた不倫カップルという空気を醸し出し、後ろめたさを盛り上げる。

ホテル松月は歌舞伎町の東の外れにある。

一応ビジネス利用も謳ってはあるのだが、業界では男性同士の利用が多いラブホテルとして有名である。

昔ながらの受付で妙齢のご婦人より「蔦」という部屋の名札の付いた鍵をうけとり、部屋に向かう。

それにしてもなぜこんな大人しそうな熟女があんな振り切れた写真を、しかも自撮りするのか。

五十路女を突き動かすものは一体何なのか。話を聞いてみることにした。

「きっかけは3年前、イベントでセーラー服を着る機会があり、それを自撮りしてSNSに載せたところ思いのほか好評で

要は図に乗ったんです(笑)」とマキエは少し照れくさそうに笑った。

「最初はびっくりしました。若い子ならいざ知らずこんな50女の自撮りなんて誰得なんだと。

でもやっぱり称賛されることは嬉しい。それは何歳になっても変わりません。女ですから。」

自撮りを始めてから、自分の中の女が再び目覚めるのを感じたという。

それはあきらめかけていた愉楽だった。

そしてそれは恋に似ていた。

羞恥は快楽に変わり、称賛は五十路女をますます女として昂ぶらせた。

最近、若い女子から「マキエさんみたいな写真が撮りたいんです。どうしたらいいですか?」と質問されたんです。

とマキエはすこし恥ずかしそうに言った。

それでなんて答えたんですか?と聞くと、マキエは

「嬉しいんですけどでも、自分の好きなように撮るしかないとしか答えられないですよね。

だって、結局自分が好きなものの蓄積が自分自身なわけで、作品は自分の分身なんだから」

作品とはこれまで生きてきた人生全てをかけた女の一本勝負だ。それは恋と同じ。

自分が生きてきた証、自分が取捨選択して獲得してきたもの、それらを総動員して渇望するのだ。

私を見てと。それはどうしようもない女の性だ。

、五十路の恋は終わらない。

 

 

Hotelデータ

ホテル 松月 #501 蔦

東京都新宿区歌舞伎町2丁目2−6

平日3時間 3400

 

マキエマキ@自撮り熟女

twitter @makiemaki50

 

マキエマキ個展

空想ピンク映画ポスター展3

2018.1.28-2.10

開催場所:bar Lucky Dragon えん

 

【フォトグラファープロフィール】

 Photographer

アンダーグラウンドシーンと女性のエロを得意とするフォトグラファー。

雑誌やウェブを中心に活動中。

日本初のフェティッシュ雑誌『INFAMOUS MAGAZINE』のオフィシャルカメラマンを務めるほか、様々なカルチャーシーンを撮影。

それらをまとめたフォトガイド「アンダーグラウンドイベント東京」を芸術新聞社より出版。全国書店にて好評発売中。

「写真・ソーシャル・イベント」をキーワードに、さまざまなイベントや企業とコラボし撮影会や交流会などを企画、運営するPhoto’s Gateの代表でもある。

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